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若い貴族たち・その2「未収録雑誌編・意外なコレクターライバル」

前回に続いて『若い貴族たち(週刊漫画ゴラク連載 画・佐藤まさあき)』の話です。
 ネット仲間の協力で単行本読破を果たした私。以降約1年分の未収録エピソードも読破すべく、オークションサイトで掲載誌収集に挑んだ私の前に立ちはだかる意外なコレクターライバルの正体とは何か?

同じ梶原ファンや画を担当した佐藤まさあきファンではない“第三のファン”は何故本作を(予想を遥かに超える高額金額を払ってまで)コレクションするのか?そのヒントは、落札者の過去の履歴情報にありました。
単行本・雑誌・写真集…一見すると梶原作品とは関連のない一覧でしたが、よ〜く見るとそこにはある共通項があったのです。
“女子プロレス”
未収録エピソード内で主人公は女子プロレスラーとなって世界チャンピオンに挑む訳ですが、そうした“女子プロレスラーが登場する漫画”のコレクタ−がいるんですね。女同士が戦うキャットファイトマニア…というんでしょうか。総じて熱い(印象の)方々と三つ巴のオークションバトルで連戦連敗を重ねすぎた結果、コレクションを断念することに決めました
幸い国会図書館には約1年分のも蔵書されていたので、そこで読むことでようやく全話読破を達成した訳ですが、この件もう一つオチがありました。
当時、申し込みの度に該当号貸出中の場合が多々あって、イライラしながら返却まで館内で時間を潰してたら、複写フロアにその号を借りている集団を発見しました。そう、そこでも女子プロ漫画コレクターにしてやられたのでした
ちなみに、以前取り上げた『おれとカネやん』同様、本作も未収録部分をホームページのコンテンツ“未収録を読め!”で紹介しました。よろしければドゾ。

マキ

(次回、「ネット交流四方山話」に続く)

若い貴族たち「単行本編・ウィズ ア リトル ヘルプ マイ フレンズ」

今では自由になるお金が制限されている身(苦笑)ですが、ホームページ開設当初は古書店やオークションサイト等を利用して、梶原作品購入に励んでいました。単行本は購入して所持、未刊行・未収録は国立国会図書館or現代マンガ図書館が基本でしたね。今回はそんなコレクター時期に立ちはだかった壁の内の1作、『若い貴族たち(週刊漫画ゴラク連載 画・佐藤まさあき)』の話です。
 この作品の存在を知ったキッカケは、H系雑誌(タイトル失念!)に連載されていた懐かし漫画コラム「必殺!マンガ固め(文・文鳥ヨシト)」でした。そこで紹介されていたあらすじで作品に興味を持った私は、例のごとく掲載誌・連載期間・単行本の有無・全話収録の有無などの情報を調査。と同時に単行本収集を始めるべく古書店やオークションサイトを利用しました。が!こ・れ・がなかなか難しかった。結論から言えば今日に至っても単行本(日本文芸社刊 全6巻)及び未収録分掲載誌は、コレクター泣かせの高額&超レア商品なのですよ!
 古書店では一冊見つけるのでさえもごく稀だし、お宝ブームが来る以前でもバラ売りの一冊は、パラフィン紙にくるまれショーケースに飾られることが多く、そしてめっちゃ高額orz。オークションサイトも同様でたまに出品されようものなら、スタートこそ少額でもたちまち値上がり急上昇!普通一般のコレクターにはもうお手上げでした。
 そんな、読破どころかその絵柄さえも見れないかと落胆していた状況を突破できたキッカケこそ、“ネットを通じて知り合えた梶原仲間”の存在だったのです。ホームページ開設から1年位経った頃から掲示板やメール等で交流を重ねて、当時盛んだったオフ会をやってみよう!ということになりました。池袋のファミレスで総勢5名程の小規模でしたが、思う存分梶原について語れたひとときはとても楽しい思い出です。
 実は、その時参加された一人が、お持ちでない方へのオフ会みやげとして持ってきたダブり単行本の中に『若い貴族たち』(の第2巻)があったのです!他にも未所有の作品もあったのですが、私はもちろんこれをゲット!前後の話はわからないけど、ようやく読めた一冊にえらく感動しました。
 その後、残る5巻分も上記の方のご協力(Gさん、感謝で~す!)を経て読破させて頂きました。もちろん平行して古書店&オークションサイト探しは続いていましたがダメでしたねぇ…。本作はネットを通じての交流がなければ難しかったと思います。私の読破への道は自身の力だけでなく、こうした仲間の協力も欠かせないファクターなのです。
 さて、単行本は読破した!次は6巻以降の未収録エピソードですが、掲載誌の週刊漫画ゴラクがネットに出品された時に単行本よりも落札が熾烈を極めるというか、熱いんですよ。単純に未収録だから梶原ファンが気合いをいれているものばかりと思ってました。
が、しかし そこには想像もしなかったコレクターの存在があったのです。それは…!?
(次回、若い貴族たち・その2「未収録雑誌編・意外なコレクターライバル」に続く

若い貴族たち

マンガ固め

ボディガード牙「連載順と収録順の不思議」

原作品数あれど、未だ単行本されない作品もあれば、何故か根強く復刻され続ける作品もある。正直、ファンの一人としては“またこの作品がぁ?”とゲンナリしてしまう作品、それが今回取り上げる『ボディガード牙(週刊サンケイ連載 画・中城健)』(及び、カラテ地獄変シリーズ)だ。
梶原一騎再評価からお宝漫画ブームの流れの中でも、単行本の各バージョンはよほど出回ったのか、さほど高値がついておらず入手〜読破に至る過程はスムーズでした。確かKCSPの全3巻が最初だったと思います。しかしその後、資料探しに古書店を巡った際に“100円圴一”をうたった店頭のワゴンセールで別バージョンの単行本を入手したことから事態はヤヤコしいことになっていきました。

まずタイトルが「続カラテ地獄変 ボディガード牙」「ボディガード牙 カラテ地獄変」「ボディガード牙」「ボディガード牙 FINAL EDITION」と多種多様。次に収録エピソードの順番が異なっていて、確かによく見ると主人公・牙直人の顔をエピソードによって違ったりする。
まぁ収録順については、この作品が4~6週の連載分で一つのエピソードが完結する関係から、話を1冊に収める理由で変わるのは分かる。タイトルの方は、連載が新しくなる(牙→地獄変→新地獄変)につれ作品の舞台が昔にさかのぼるという事から、単行本にまとめられる度に、時系列を正すために変えられたということが分かりました。
さぁ、となるとまたも騒ぎだすのが私のこだわりスピリット。実際はどういう順番でエピソードは連載されたのか?ということを知りたくなった訳ですね。そしてこれまたお約束の国会図書館詣が始まりました。
そこでは、最初に増刊号としてまとめられて以来一度も収録されないエピソード(人肉市場の星、悪魔のよだれ)を発見したり、週刊誌と単行本のサイズの違いからコマの修正が多数なされていたりと、実りの多いものになりました。

正しい連載順が判明してから過去に刊行された全てのバージョンと比較してみると、意外な事に『ボディガード牙』は全話を網羅した単行本は一度も出ていませんでした。これは驚きでした。初め“またこの作品がぁ?”と書きましたが、この点においては本作の完全なる復刻を望む私であります。
※今回の件は、当サイトにもアップされていますのでご興味ある方はどうぞ。

(次回、若い貴族たち「意外なコレクターライバル」に続く)

ボディガード牙

初恋物語「1980年のBONさん」

 1970年代後半。週刊少年マガジンに連載された「翔んだカップル(画・柳澤きみお)」の大ヒットにより、少年誌にはラブコメ漫画ブームが巻き起こりました。後を追うように他誌でも様々な類似作品が連載されていた頃が、私の多感なる思春期(13~16歳)時代だったのです。ジャンプ・サンデー・マガジン・チャンピオン・キング。毎週各誌に連載される恋愛漫画を読んでは、その世界観に自身に身を置き換えて妄想しまくっていました。“何かの手違いで、片思いのあの子がウチに住んだらどうしよう…”とか“好きな子が報われない恋をしている姿を、陰から見守り悩む自分…”等々 w)。前置きが長くなりましたが、こうした時期に出会った作品の中で、最もトラウマな作品として印象深く、今なお心に刻まれているのが、今回取り上げる「初恋物語(週刊少年マガジン連載 画・小野新二)」なのです。

 当時はこれが梶原作品だという知識はありませんでした。でも毎週読んでいくうちに、他作品とは同じ学園物でもどこか別次元な話のような、アチラが甘〜いお菓子なら、コレは辛い食べ物のような…。大抵は1年程度で両思いになり、平凡な学園生活の中でアレコレ騒動が起こるパターンなのですが、一向に距離感の近づかない関係性や、悪い方悪い方に転がっていくストーリー、成長しきれない主人公のマラソン能力等、主人公・高杉友也の行動に、感情移入し過ぎた自分は「何故こうまでして頑張るんだろう?」と毎号胃が痛くなる思いで読んでいました。
さらに、性的暴力な描写の数々には、ポテンシャルの低いウブな男の子には刺激が強すぎた。マドンナ教師・月村へのリンチ。暴力団の花沢美樹への報復。友也を救う為カルメンが踊る全裸ダンス。裸のでるシーンを「読みたい!」と思う自分と「読んじゃダメ!」と思う自分が葛藤し合い、持って行き場の分からないモヤモヤした感情に巻き込まれて疲れ果てた結果、単行本は途中で買うのを止めてしまい、連載もストーリーを追う程度の飛ばし読みで、読破とは名ばかりの状態でした。

 後年大人になって、梶原漫画に興味を持ち全巻入手。改めて再読しても5巻以降が読んでいて(ニューヨーク編以降は特に)苦い気持ちを抱き続けるのは、この漫画の一コマ一コマに“あの頃の未成熟な自分”が刻まれているからではないかと思っています。

(次回、ボディガード牙「連載順と収録順の不思議」に続く)

初恋物語

侍ジャイアンツ・その2「好きすぎ暴走台風吹く!」

 今「侍ジャイアンツ」といえば、懐かしアニメ企画でよく見る“ハイジャンプ魔球”や“大回転魔球”等に代表される“トンデモ魔球漫画”のイメージが強いですね。また、主人公・番場蛮といえば、大塚康生氏が描いたTVアニメ版のキャラクターの顔を思い浮かべる人が大半でしょう。かの如く本作は原作漫画よりもTVアニメ版が人気が高く、原作の話で話題になるとすればマウンド上で死ぬ最終回くらいか。
 そんな評価の低い漫画版ですが、前回述べたようなバージョン違い発見をキッカケに腰を据えて再読してみると、これが結構面白かった。昔はまどろっこしかった前半(JC8巻位)も『巨人の星』との差別化を図ろうとする梶原先生の意気込みを感じられるし、後半は連覇に苦戦するジャイアンツの史実に併せて展開する“セミドキュメント方式”なストーリーも興味深かった。作品評論が長くなるので割愛するが、こうして私は「侍ジャイアンツ」という漫画にハマってしまった訳です。V9当時の野球の資料を読みあさり、ご存知・国会図書館に通い、週刊少年ジャンプで連載分全話読み直すだけでなく、全扉絵をコピーしてコレクション。果ては同人誌(!)なんかも作ってしまったのです。しかしマイペースに作りすぎてDVD-BOXの発売に先を越され、やりたかったネタ(連載誌での読破で見つけた未収録エピソード等)をライナーノートに使われたのを知ったときは結構凹みましたね。
 1年近くかけて単行本を読み、雑誌を読み、その面白さについて深く考え、行動した作品として「侍ジャイアンツ」は印象に残っています。
 最後に、もしこれから読んでみようと思う方にクイズを出したいと思います。

Q1.『番場蛮は、星飛雄馬と同じ低い身長ながら“球質の軽さ”という欠点を持っていません。それは何故でしょう?』

Q2.『番場蛮の速球投手として欠点と、それを補う“ハイジャンプ魔球”や“大回転魔球”の理屈とは何でしょう?』


 正解は…興味のある方のみ漫画を読んで調べてみてください(笑)。それが本作への再評価のキッカケとなれば、ファンの一人として嬉しく思います。

(次回、初恋物語「1980年のBONさん」に続く)


侍扉
↑取り付かれたようにコピーしまくった扉絵コレクション

同人誌
↑幻(笑)の同人誌。まさに出来心の一冊。